蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

2010-01-01から1年間の記事一覧

時代5、望郷

前編で森昌子が「港のまつり」の前に故郷の話をしたことから、このタイトルは「望郷」とした。忘れた振りをする故郷は実は忘れられてはいない。戻れないが故に忘れた振りをするのである。「帰りたいでしょ港のまつりに」の問いかけに、男は戻れないが故に、…

時代4、森昌子の故郷 宇都宮

宇都宮と言えば餃子が有名である。餃子と言えば宇都宮、宇都宮と言えば餃子と反射的に出て来る程である。更に、ビーナスが餃子の皮を纏った姿だという餃子像まであり、観光客の撮影スポットになっていると言う。「餃子の街 宇都宮」の真骨頂とも言うべきか。…

時代2、森昌子のシングル盤

発売シングル盤(「森昌子公式ホームページ」より) 1「せんせい」(1972.6.25) 2「同級生」(1972.10.25) 3「中学三年生」(1973.2.5) 4「夕顔の雨」(1973.5.5 ) 5「白樺日記」(1973.8.25) 6「記念樹」(1973.10.31) 7「若草の季節」(1974.…

時代1、森昌子の履歴

秋の日はつるべ落としという。冬の日もまたつるべ落としである。「朝顔に釣瓶取られて貰い水」のあの釣瓶である。この釣瓶の桶は日本では木桶が多い。ある程度重さもあり、落とす時に見当がつけ易いし、適度に沈むので水を汲み易い。軽すぎてはフワフワとし…

時代3、40周年

来年の3月5日6日の2日間、東京ドームでイーグルス40周年記念の来日コンサートがある。大阪と名古屋は1日と3日である。かって、森昌子さんがアメリカ西海岸に長期滞在した時に聴いていたというイーグルスは、奇しくも同じ72年のデビューで共に40周年を迎える…

松葉の流れる町(15)

3章 つぐみが出すあてのない手紙を書いていたこの頃に、ラジオ番組から声がかかる。雲井吾郎がパーソナリティを務める深夜の番組で、彼は「モリプロ・スカウトツアー」の司会をしていたこともあり、以前にも別の番組で呼んでくれたことがあった。 「モリプ…

他10、森昌子に宇都宮市民栄誉賞を

美空ひばりはいない。阿久悠もいない。遠藤実も玉置宏もいない今、戸倉俊一はJASRAC会長だし、ペギー葉山は少し前まで日本歌手協会の7代目会長(現在は理事)だった。また、小林幸子には2005年新潟市、長岡市より特別感謝状を受けると、2006年には松尾芸能賞大…

松葉の流れる町(14)

その年の明けた正月、雅子は達彦に宛てた年賀状が戻って来たことに驚き平静を失った。受験勉強が手につかなくなり一人悩んだが、結局頼るのは牧師しかなく、意を決し次のような葉書を書いた。 前略 新しい年を健やかにお迎えのことと思います。年賀状を差し…

私が選ぶ3曲一覧(21〜30)

21、森昌子 時代の歌謡曲 (1)「忘れな草をあなたに」(昭和39年) (2)「智恵子抄」(昭和39年) (3)「愛と死をみつめて」(昭和39年) 22、森昌子 女学生 (1)「女学生」(1964年)森昌子 (2)「女学生」(1964年)安達明 (3)「林檎の花咲く町」(…

お詫びとお知らせ

前回の「ご挨拶」(11,15付)で記した検索方法について、訂正してお詫びいたします。特に「森昌子私論」の古い記事を探す方法について、再度書きますが、この方法が一番良いかと思います。(11,15付記事は近い内に書き直します) 「森昌子私論」の「1−1」の…

30、森昌子 シャンソンを歌う

シャンソンとはフランス語で歌のこと。フランス語で歌われた歌をシャンソンと言う。60年代を過ぎると別呼称されるジャンルも出て来るが、それでもシャルル・アズナブールの「Hier encore」はシャンソンだろうし、森昌子はシャンソンを歌ったということでいい…

ご挨拶

「蜂太郎日記」をご覧頂き有難うございます。これは主に森昌子さんについて書かれていますので、彼女に興味のない方には全く面白みのないものであることを、あらかじめお知らせ申し上げます。 書かれた内容が増えてきましたので、初めて読まれる方に簡単な説…

参考書籍一覧

この「蜂太郎日記」を書くに当たって参考にさせて頂いた書名は、その都度記したつもりですが、改めて一覧を掲げて感謝申し上げます。参考書籍一覧(順不同) 「昭和のすたるじい流行歌」塩澤実信(第三文明社) 「昭和の流行歌100選・おもしろ秘話この人この…

手紙13 達彦失踪する(2)

「茂木純一の手紙」 拝啓 新しい年を迎え皆様ご健康でお過ごしのこと思います。私も元気に致しております。学校は始まっているのですが、相変わらず突然の休講や教室の変更等があり、まともな授業が少ない現状です。 昨年はお世話になり有難うございました。…

手紙12 達彦失踪する

「氏家雅子の葉書」 前略 新しい年を健やかにお迎えのことと思います。年賀状を差し上げたばかりなのにまた書いてます。 実は達彦さんに出した年賀状が戻ってきました。達彦さんは住所を変えたのですか。牧師様、お願いします。新しい住所をご存知でしたら教…

29、森昌子と1972年頃

1、「ルイジアンナ」(1972) 歌手:キャロル、作詞:大倉洋一、作曲:矢沢永吉 キャロルは森昌子がデビューした72年暮れにデビューしている。この時、矢沢永吉は23歳であり、森昌子の10歳上という事になる。この10という数字がこの後も何度か出てくるのに…

手紙11 In Wildness Is the Preservation of the World

「小山みどりの手紙」 雅子ちゃん、お久し振り。少し暑くなってきましたが、いかがお過ごしですか。体を壊さないよう、大事な喉を痛めないよう気をつけて下さい。 私、この前、参考書を探しに本屋さんへ行ったのですが、気晴らしに眺めていた植物関係のコー…

松葉の流れる町(13)

その夜、アパートに着いてからも、はにかんだような少女の顔が浮かんで来てなかなか寝つけなかった。昨年の夏、純一と二人で山野を歩いた後に偶然出会った少女と、その顔は重ならない。無心に歌う少女は、後で中学生だと知ったが、足を止めて盗み聴いても、…

28、森昌子をカバーする

1、「せんせい」(1972年) オリジナル歌手:森昌子、作詞:阿久悠、作曲:遠藤実 歌:神園さやか http://www.youtube.com/watch?v=YuWy8UNrTA0 しかし、好感を持てたことは事実で、収録が始まって、歌う順番を待っている姿を見ていると、素朴で、可憐で、花…

27、森昌子 カバーフォーク(2)

1、「無縁坂」(1975) オリジナル歌手:グレープ、作詞・作曲:さだまさし 歌:森 昌子 日本テレビのドラマ「ひまわりの詩」の主題歌。舞台は東京都文京区湯島四丁目にある無縁坂。森鴎外の小説「雁」で知られるようになった坂だという。これはキャニオンに…

26、森昌子 心のままに

天才少女の苦悩や迷いがこの頃の彼女には良く見られ、いわゆる「哀愁の頃」でもあるのだが、その切なくも遣る瀬のない思いに揺れながら歌う様が感じられる3曲である。 天才であるが故の期待と自らが課したであろう足枷とに負担を感じることもあるだろうが、…

3-2森昌子 天才少女走る

しばしの休息は必要だったろう。天才少女は再び走り出す。あの青年の目指した荒野に向かってである。その荒野の彼方で秋津が彼女を待っている。そこは国のまほろば、秋津の島である。 「天才少女の旅立ち」に続くものであるが補足の意味も含めて一部重複する…

松葉の流れる町(12)

次の駅では多くの乗客があった。その中の隣に席を占めた四人の若者達はギターケースを網棚に載せるのに大騒ぎである。網棚に手が届かず四苦八苦していた小柄なおかっぱ髪の男が、代わりに上げると言う大柄なチューリップ帽の男の手を邪険に払って、自分で載…

松葉の流れる町(11)

列車は空いていた。8月もまだ10日ばかり残しており、帰省者の帰京はもう少し後になるのだろう。 窓越しに見える山間の僅かな耕地は低地を蛇行し、濃い緑を揺らして遠くの町並みに続いている。その町の奥の霞んだ山々の上には真っ白な雲が浮いている。少し…

25、森昌子と民謡

1、「会津磐梯山」(福島県) 会津地方で広く盆踊り唄となっている「会津磐梯山」は、会津民謡「玄如節」からの転用で、昭和10年頃に小唄勝太郎のレコードに吹き込まれ、「おはら庄助さん なんで身上つぶした…」のおはやしが入り、「会津それが全国的に広まり…

24、森昌子 フォーク風(続き)

前回、「森昌子フォーク風」の3曲目に「吉祥寺物語」を挙げ、また不明の作詞作曲者をREIさんに教えて頂いたりもしたが、書き足りない感じがするので少し補足する。 REIさんの「想い出そして未来…」には大変お世話になっており、改めて御礼申し上げたい。ま…

23、森昌子 フォーク風

1、 少年時代(76年) 歌手:森 昌子、作詞:阿久 悠、作曲:遠藤 実 阿久悠の詞であるが、「フォークのギター」「ジーパン」「野良犬」「髪の毛長く伸ばしても」「傷つけあって生きるより」「僕には僕の夢がある」等、当時のフォークに使われそうな言葉が多…

俳句8 夕立

梅雨が明けると本格的な夏となり夕立の季節となる。うだるような夏の午後、急に空が暗くなったかと思うと雷鳴が響き、あっという間に激しい雨になる。夏の午後から夕方にかけて良く見られる現象で、この激しいにわか雨を夕立という。今年に限って言えば、猛…

俳句7 梅雨

麦が刈られ蓮華草が刈られると梅雨である。子供の頃、青梅を齧って良く叱られたものだが、それもこの梅雨を過ぎるとおおっぴらとなる。青梅の持つ毒素が腹痛を起こすのだが、その毒素が消えるのがこの梅雨明けの頃なのだという。梅の雨とはそんなことも現し…

22、森昌子 女学生

1、「女学生」(1964年) オリジナル歌手:安達明、作詞:北村公一、作曲:越部信義 歌:森昌子 LP「中学三年生」(1972年)より http://youtu.be/XGR2N_6GNL4 (12.2) :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::…