蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

19、篠原義彦と森昌子

篠原義彦は円広志の本名である。円広志は1978年にデビュー曲「夢想花」を大ヒットさせたがその後ヒット曲には恵まれず、いわゆる一発屋とされる。それ故いじられ役タレントとしての出演が多いが、作曲家としても多くの歌手に曲を提供しており、その一つが「…

松葉の流れる町(9)

「最近、山が好きなのか、都会を逃げたいのか分らなくなってきた。何故僕はここにいるのだろう」 達彦はポツンと言った。二人は療養所の前に整備された見晴らしの良い場所まで歩いていた。そこは昨年、雅子が良く歌っていた所で達彦と初めて会った場所だった…

松葉の流れる町(8)

2章 1972年の夏、大学2年になった大田原達彦は目的もなく高原の叔父の教会にやって来て、ぶらぶらと時を過ごしていた。彼は大学のワンダーフォーゲル部に所属したが、友人の死を契機に部活動への意欲をなくしていた。叔父の国男と約束のあった雅子がやって…

18、森昌子 カバー演歌(2)

1、 「未練の波止場」(1957年) オリジナル歌手:松山恵子、作詞:松井由利夫、作曲:水時富士夫、(歌:森昌子) 松山恵子は「お恵ちゃん」の愛称で知られるが、これは紅白で、その時の司会者江利チエミが言ったのが最初とされる。後に松山は「おかげで落…

松葉の流れる町 登場人物

一条つぐみ…演歌歌手、本名:氏家雅子 氏家 勝…つぐみの弟 氏家 和江…つぐみの母 壬生 修造…つぐみのマネージャー 小山みどり…つぐみの友人 大田原達彦…つぐみの恋人、外務省勤務 大田原 隆…達彦の父 大田原良子…達彦の母 佐野 国男…達彦の叔父、牧師 佐野 …

手紙9 高野悦子にマドンナリリーを

「小山みどりの手紙」 雅子ちゃんお久し振り。鬱陶しい日が続きますがお元気ですか。勿論元気ですよね。元気のない歌娘では魅力半減です。 私は最近、雅子ちゃんの歌が本当に好きなことに気づきました。温泉神社でのあなたの歌を聴いてから、あなたの歌には…

松葉の流れる町(7)

この頃つぐみは達彦への手紙を書いては破り、また書いては破ることを繰り返した。達彦は1年前の75年4月に外交官として採用され、モスクワでの1ヶ月研修終了後、そのままその地の大使館に配属されていた。その1年間、つぐみは何通もの手紙を書いた。達彦も…

17、森昌子 抒情歌

1、「城ヶ島の雨」(大正2年) 歌手:奥田良三、作詞:北原白秋、作曲:梁田貞、(歌:森昌子) 大正2年(1913年)、島村抱月の依頼を受けて白秋が作詞。白秋は前年に姦通罪で告訴されて社会の激しい非難の中にありながら、その女性と共に移り住んだ三崎町…

松葉の流れる町(6)

つぐみはみどりの手紙を何度も読み直した。決して有名な歌手でも、一人前の歌手でもないことは自分が一番良く知っている。そんな自分をそんな風に見てくれ、お世辞でもそんな風に言ってくれたことが嬉しかった。この頃一人でいると、明日に洋々とした輝きを…