蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

手紙

手紙18 時間をください

「秋葉君の手紙」(「沈黙」) 先日は挨拶もせず失礼いたしました。実はニューヨークで思った以上に時間を食ってしまい、長居する時間がなくなってしまいました。あなたが元気なことや、その日はマリアと一緒にモントレーに出かけていることなどはジュディか…

手紙17 残念ながら

「乱穂先生の手紙」(「沈黙」) モデル君、お手紙拝読いたしました。カルフォルニアはあなたに合っていたようで、元気な様子が見てとれます。 秋葉君のことですが、行く前に彼から話がありましたから、大方のことは知っております。無事解決されたようで、…

手紙16 気になります

「モデルの手紙」(「沈黙」) 乱穂先生、いかがお過ごしですか。私は今、カルフォルニアで快適に青春を謳歌しています。アメリカに来てよかったと思っています。先日、秋葉さんがいらっしゃいました。ちょっとした面倒があったのですが、それを秋葉さんが解…

手紙15 泰山木

「一条つぐみの手紙」 みどりちゃん、いつもお手紙ありがとう。受験勉強頑張ってますか。あなたは頑張りやさんだから大丈夫ですね。私も見習わなければいけませんね。最近、時々落ち込むことがあるのですが、みどりちゃんの手紙に励まされて歌っています。今…

手紙14 深夜放送

「小山みどりの手紙」 雅子ちゃん、ご無沙汰です。ラジオ聴きました。私、ながら族ですから深夜放送は欠かせないのです。 雲井さんは相変わらずですけど、雅子ちゃんを前にする宇都宮の頃を思い出すのか、なんだか真面目になるように思います。私はあの時、…

手紙13 達彦失踪する(2)

「茂木純一の手紙」 拝啓 新しい年を迎え皆様ご健康でお過ごしのこと思います。私も元気に致しております。学校は始まっているのですが、相変わらず突然の休講や教室の変更等があり、まともな授業が少ない現状です。 昨年はお世話になり有難うございました。…

手紙12 達彦失踪する

「氏家雅子の葉書」 前略 新しい年を健やかにお迎えのことと思います。年賀状を差し上げたばかりなのにまた書いてます。 実は達彦さんに出した年賀状が戻ってきました。達彦さんは住所を変えたのですか。牧師様、お願いします。新しい住所をご存知でしたら教…

手紙11 In Wildness Is the Preservation of the World

「小山みどりの手紙」 雅子ちゃん、お久し振り。少し暑くなってきましたが、いかがお過ごしですか。体を壊さないよう、大事な喉を痛めないよう気をつけて下さい。 私、この前、参考書を探しに本屋さんへ行ったのですが、気晴らしに眺めていた植物関係のコー…

手紙10 竜胆の里(2)

「氏家雅子の手紙」 詩集ありがとうございます。牧師さんがが持って来てくれました。バイロンは私には難しいのですが、一生懸命に読もうと思います。あの日、私は本を持って駅まで行ったのですが間に合いませんでした。それで牧師さんに預けたのですが、それ…

手紙9 高野悦子にマドンナリリーを

「小山みどりの手紙」 雅子ちゃんお久し振り。鬱陶しい日が続きますがお元気ですか。勿論元気ですよね。元気のない歌娘では魅力半減です。 私は最近、雅子ちゃんの歌が本当に好きなことに気づきました。温泉神社でのあなたの歌を聴いてから、あなたの歌には…

手紙8 座禅草の里

「小山みどりの手紙」 雅子ちゃんお久し振り。この間偶然ステージを見ました。栃木県北部の小さな町の神社でです。私はその町へキバナノアマナとヤブサンザシという野草を探しに行っていたのです。その町の奥に雲巌寺という寺があって、その辺りでは4月頃に…

手紙7 望郷のアムステルダム

「茂木純一の手紙」 取り急ぎ用件のみを記します。外務省、またはお前にこの話に興味があるかどうか知りませんが、日本人の過激派の件です。アムステルダムには日本人過激派らしい人物が数名いると、当地の取引先の人から聞きました。名前はそれぞれ、鈴木、…

手紙6 少年時代(2)

「ある母親の手紙」 元気にしてますか。お母さんを心配してくれてありがとう。お母さんは元気です。毎日、元気に仕事に行っています。職場の人たちも色々と気を遣ってくれていますから、大丈夫です。子供だと思っていましたが、色々と考えていたのですね。少…

手紙5 悲しみの町(3)

「達彦に届けられたつぐみのメモとレコード」 一条つぐみの新曲「悲しみの町」です。外国に行った時聴いてね。その方が上手く聴こえるこえるかも知れないわ。日本情緒たっぷりだから。脂っぽい料理に飽きた時がいいかもね、それとも砂漠のカラカラに乾いた空…

手紙4 悲しみの町(2)

「大田原達彦の手紙」前略 お元気ですか。僕は今東京にいます。急に呼び戻されて上司の面談を受け、直ぐまた戻らなければなりません。届いていた母の手紙に、「叔父に連絡して下さい」とありましたので連絡して、叔父が貴女に電話したことを聞きました。僕は…

手紙3 竜胆の里(1)

「ある大学生のはがき」前略 先日はありがとうございました。皆さん元気そうで安心致しました。私も山の空気を吸って、少し元気になったような気がします。都会の雑踏の中にいると、田舎の風景はやはり懐かしく思い出されます。東京はまだまだ暑い日が続きま…

手紙2 悲しみの町(1)

「無名演歌歌手の投函されなかった手紙」 今、あなたはどこにいるのですか。そこで何をしているのですか。そこは暑い所ですか、それとも寒い所ですか。海の近くですか、それとも砂漠の中ですか。 この間、久し振りに休みが取れたので、お友達と二人で高尾山…

手紙1 少年時代(1)

「ある少年の手紙」 母さん、許して下さい、悲しまないで下さい。食事はきちんとしてますか。夜はきちんと眠れてますか。 母さん、ぼくも男です。人のために何かをやってみたかったんです。あの人は言ったんです。人は自分のために生きるのではない、他の人…