蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

手紙18 時間をください


「秋葉君の手紙」(「沈黙」)
 先日は挨拶もせず失礼いたしました。実はニューヨークで思った以上に時間を食ってしまい、長居する時間がなくなってしまいました。あなたが元気なことや、その日はマリアと一緒にモントレーに出かけていることなどはジュディから聞きました。またジャックからもバレたと連絡がありました。余計な心配をさせてしまったようで申し訳ありません。ジャックは大学時代からの友人で気心はしれています。変な奴ですが安心できる人物ですから、何かの時には頼っても大丈夫です。また、ニコラスについて詳しくは話しませんでしたが、気むずかしい時もありますが全く気を遣う必要はありません。どうしても困ったときにはジュディに話してみてください。そうしてもらって一向に構いません。

 あなたの疑問の声は、乱穂先生やジャックから私の耳にも届いています。しかし、それにお答えするには時間が必要です。私もまた心弱き人間の一人なのです。しかし、いつかはあなたにお知らせしなければならないとは思っています。ただ、もう少し時間をください。今の私には煙草屋旅館での時間が必要なのです。今はただ、コナンドイルのこの言葉を記します。


 全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる。


 テレビに全国ツアーのコマーシャルが流れているのを見ました。乱穂先生からの誘いもありました。ステージでの元気な姿を見せていただこうと思っています。
葉山鉄太郎
まさこ様