蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

沈黙(5)

ラフ画 この絵も土蔵文庫にあったもので鉛筆のラフ画である。 暇を持て余した時、私は良くここを訪ねる。ここには歴代の店主たちが思いのままに集めたものが展示されているが、それぞれが好き勝手に集めたもので系統だってはおらず、また大して価値のありそ…

Edesu35、歌は流れる

パステル、色鉛筆 思い出となれば、みんな美しく見えると良く言うが、その意味をみんなが間違えている。僕らが過去を飾り勝ちなのではない。過去の方で僕らによけいな思いをさせないだけなのである。思い出が、僕らを一種の動物である事から救うのだ。記憶す…

Edesu34、時は流れる

パステル、色鉛筆 森昌子「十周年記念リサイタル」 プルーストの『失われた時を求めて』は、有限ではあるがその端には行くことのできない三次元の宇宙を、その端を求めて延々と辿る物語のようである。それはエッシャーの永久に流れ続ける滝のようであり、無…

Edesu33、愛は流れる

鉛筆、ケント紙 森昌子「愛は流れる」 作詞:なかにし礼、作曲:浜圭介 無心にブランコを漕いだ純真な少女は、心の奥に秘め続けた情念を露わにする。 青春の熱唱から不倫の愛までは序章にすぎない。 森昌子ここに無常の愛を歌う。 森昌子、遂に本気になった…

沈黙(4)

別の一枚 もう一枚あったこの絵は、鉛筆の下書きの上に直接、背景は色鉛筆で人物は顔面だけがパステルで塗られたもので完成していない。何が気に入らなかったのか、描きかけのままである。構図やポーズは「沈黙」と同じであるから同じ時のものだろうが、眠っ…

沈黙(3)

「本当に忙しない人だけど、あれでなかなの好人物なのです。私は全く頭が上がりませんけども、世間の評判とはずいぶん違う人なのです。あなたも色々聞かされてきたと思いますが、どうでしたか会ってみて、印象が違ったのではありませんか」 乱穂先生がいなく…

沈黙(2)

原画 ] この絵は蜂太郎本舗土蔵文庫にあったもので、実際はこのように色褪せております。誰がいつ頃描いたものか、パステルと色鉛筆で書かれているのですが、サインも日付もありませんのではっきりしません。ただ、裏側に「沈黙」「ロンブローゾ」「エジソン…

沈黙(1)

開かれた眼はどこかうつろで潤んで見えました。笑みを浮かべた口元もこころなしか引きつっているようで、女性は疲れているようでした。 「こんなことでいいのかね、秋葉君」 シャツはコートのようになってるし、モデルは誰だかさっぱりだし、さらに、せっか…