蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Edesu47、夕映えを見上げて

鉛筆、ケント紙 森昌子「夕笛の丘」 http://youtu.be/r3J7x0_Kkn8

神4、「我が子を喰らうサトゥルヌス」

ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」1820年頃(プラド美術館) ローマ神話に登場するサトゥルヌスは農耕神で、大きな鎌を持つ老人の姿で表わされる。ギリシア神話のクロノスと同一視され、この絵はそのクロノスである。クロノスは我が子に支配権を奪われる不…

Edesu46、未完の美、あるいは芽ばえ

鉛筆 これは鏡に写ったものを描いたのだが、「鏡よ鏡、教えておくれ。世界で一番ハンサムなのは誰だ」などと言って覗いていたわけではない。ふと何かが写っているのに気付き、よく見たらぼんやりとしたこの像だった。「未完の美、あるいは芽ばえ」と題された…

神3、「ダナエ」

クリムト「ダナエ」1908年(個人蔵) アルゴス王アクリシオスの受けた神託「汝に息子は生まれないが男の孫が生まれる。その孫に汝は殺されるだろう」が、このダナエの物語の始まりだった。神託を恐れアクリシオスは、男が近づけないよう娘を塔(地下室)に閉…

Edesu45、美は乱調にある

「階調はもはや美ではない。美はただ乱調にある。階調は偽りである。真はただ乱調にある」(「生の拡充」大杉栄) 瀬戸内晴美はこれを基に、大杉栄の愛人伊藤野枝の生涯を「美は乱調にあり」として書いた。ということで唐突に、森昌子「なみだの桟橋」から未…

俳句23 銅の山

ウィキペディアによれば、栃木県の足尾銅山は1550年(天文19年)、室町幕府13代将軍足利義輝の頃に発見されたという。鉄砲伝来(1543年)やザビエルの来日(1549年)の頃である。一方、「足尾銅山発見の謎」(池野亮子・随想舎)には、それは1610年(慶長15…

俳句22 陀羅尼

種下ろし善女龍王あとのこと 密教と共に空海がもたらした真言は唱えることで多くの霊験があったという。真言は大日如来に由来する真実を意味する一種の呪文で、陀羅尼とも言われる。 陀羅尼は、本来暗記して繰り返し唱えることで雑念を払い、無念無想の境地…

神2、「人生の踊り」

その死生観や人生観を表した「人生の踊り」は至る所に時の象徴が描かれ寓意に満ちている。 まず絵の上部から。「永遠の輪」を掲げる太陽神アポロンと先導する暁の女神アウロラ。そして後ろにはアウロラの侍女で時の象徴のホライたち。下には、向かって左に、…

俳句21 戒律とともに

聖武天皇の時代、天皇、皇族の病平癒のために多くの得度が行われ、多くの僧尼が出現した。そのため経典を読めない僧尼もでてきた。また、税の減免があったため一般にも勝手に出家する者が多く、このため朝廷は、得度した僧尼を正式な僧侶にするための受戒制…

俳句20 水芭蕉

(1)何とはなしになにやら床しすみれ草 (2)何となく何やら床しすみれ草 (3)山路来てなにやらゆかしすみれ草 芭蕉の推敲の過程である。これを見ると俳聖といえども、道端の菫を見て少し思案し、おもむろに口にした句が「山路来てなにやらゆかしすみれ草…