蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

Edesu45、美は乱調にある


 「階調はもはや美ではない。美はただ乱調にある。階調は偽りである。真はただ乱調にある」(「生の拡充」大杉栄) 
 瀬戸内晴美はこれを基に、大杉栄の愛人伊藤野枝の生涯を「美は乱調にあり」として書いた。ということで唐突に、森昌子「なみだの桟橋」から未完の美である。


 完成させないほうがいい
 美は乱調の中にあるのだ
 永遠の美は未完の中にこそあるのだ
 完成はただ崩壊の始まりなのである
 過去と未来の狭間に立ち双方を見るヤヌス神は
 完成と崩壊をも司っているのだろう
 私はその狭間を避けよう
 ただ、ただ、未完のままに

 
 高校生の頃に友人に「文通している女子高生に会うから一緒に行こう」と誘われたことがある。相手も3人、こちらも3人だった。彼女らの姿かたちはさっぱり覚えていないが、観た映画のタイトルだけは今だに覚えている。「みじかくも美しく燃え」だった。ストーリーまでの詳しい記憶はないが、哀しくも美しかった。これもまた乱調にあったのだろうか。


みじかくも美しく燃え - goo 映画


モーツァルト「ピアノ協奏曲第21番第2楽章」
http://youtu.be/RD8pgDRvbiM
(24.10.16)