蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

手紙16 気になります


「モデルの手紙」(「沈黙」)

 乱穂先生、いかがお過ごしですか。私は今、カルフォルニアで快適に青春を謳歌しています。アメリカに来てよかったと思っています。先日、秋葉さんがいらっしゃいました。ちょっとした面倒があったのですが、それを秋葉さんが解決してくれました。さすがに名探偵さんです。だけど忙しいらしくすぐ帰られて、遊び歩いていて帰りが遅くなった私は、残念ながらお会いすることができませんでした。
 話は変わりますが、先生、時間があったらまた、私を描いてくださいませんか。先生の健康のためにも外に出るいい口実になると思いますが、どうでしょうか。そうでなくても本当に、たまには外に出ないといけませんよ。
 ところで、今日はひとつお伺いしたいことがあって手紙を書きました。「飯坂殺人事件」についてなのですが、秋葉さんに送って頂いて読ませて頂いたのですが、疑問があります。こんなこと書いていいのかどうか分かりませんが、本当に赤原が犯人なの、との思いがあります。話の流れから言えば、探偵さんや叔父さんの方がそれらしく思えるのです。どこか推理小説らしくないような気がします。生意気を言ってしまいましたが、気になって仕方ないものですから、失礼を承知の上で書いてしまいました。どうかお許しください。
 最後に、私、もうすぐ日本に戻りますが、帰国早々に全国ツアーが始まります。東京でのチケットを後で送りますので、よろしかったら観に来てください。歌謡曲がお嫌いでなかったらのことですが…。
まさこ
乱穂先生へ