蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

19、篠原義彦と森昌子


篠原義彦円広志の本名である。円広志は1978年にデビュー曲「夢想花」を大ヒットさせたがその後ヒット曲には恵まれず、いわゆる一発屋とされる。それ故いじられ役タレントとしての出演が多いが、作曲家としても多くの歌手に曲を提供しており、その一つが「演歌調の曲を」とだけ言われて軽い気持ちで作った「越冬つばめ」である。白秋の「城ヶ島の雨」のように人生の苦悩が優れた作品を生むこともあるが、逆に軽い気持ちで作ったものや直ぐできたといわれる曲に名作が多いのもまた事実である。円広志が軽い気持ちで作ったといわれるこの曲が森昌子の代表曲の一つとなり、また円自身の久々のヒット曲となった。
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1、「越冬つばめ」(1983.8.21)
歌手:森昌子、作詞:石原信一、作曲:篠原義彦 
「ギターが上手くなかった」と円広志は言う。確かにスムーズではないがなかなかの味で乙であり、このコラボはグッドである。私は好きである。1980年代後半以降、バラードと呼ばれたポップスの特徴が既にこの俗世的な抒情や全編を通して刻まれるベース音とドラムのリズムにある。eagletaka氏もバラード「越冬つばめ」と記しているが、確かにこれはバラードであろう。感傷的な歌詞が辿る静かなメロディラインが「ヒュールリ」で見せる劇的な盛り上がりはその典型的なパターンともいえる。円広志よ、また彼女と一緒に歌ってはくれないだろうか。80年代の余韻と共に、滔々たる時の流れを再びのバラードで見せては貰えないだろうか。「この歌に出会えて幸せです。歌手として認められた気がします」という彼女にとって、これは一つの到達点となった41枚目のシングルである。

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2、「雛ものがたり」(1986.8.21)
歌手:森昌子、作詞:石原信一、作曲:篠原義彦 
駆け込み発売となった引退四部作の一曲。「まだまだ遊んでいたいけど…」は、その頃の彼女の率直な気持ちだろう。
http://youtu.be/9nUwvHjaj4w
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3、「綺 麗」(2007.10.3 )
歌手:森昌子、作詞:石原信一、作曲:篠原義彦 
女性の永遠のテーマを森昌子が優しく歌い上げるバラードである。
http://www.youtube.com/watch?v=CmNVNa5-rsM