蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

23、森昌子 フォーク風

1、 少年時代(76年)
歌手:森 昌子、作詞:阿久 悠、作曲:遠藤 実
 阿久悠の詞であるが、「フォークのギター」「ジーパン」「野良犬」「髪の毛長く伸ばしても」「傷つけあって生きるより」「僕には僕の夢がある」等、当時のフォークに使われそうな言葉が多くある。また直接関係はないのだろうが「あしたのジョー」の世界をイメージさせる。何故だろう、この歌を聞くと私は真っ先に「あしたのジョー」が思い浮かぶ。そこに当時のフォークの世界を感じてしまうのである。

 「あしたのジョー」は「少年マガジン」に、1968年1月1日号から1973年5月13日号にかけて連載された日本漫画を代表する作品の1つといわれるもので、当時の若者の圧倒的な支持を得、またさまざまな話題を提供した。その一つに「力石の葬式」がある。それは1970年3月24日、講談社の講堂において行われたもので、漫画の登場人物の葬式という前代未聞のものでもあった。

参考「あしたのジョー
歌:尾藤イサオ、作詞:寺山修司、作曲:八木正生
http://youtu.be/2ascSgsumhY
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2、 夕子の四季(79年)
歌手:森 昌子、作詞:阿久 悠、作曲: 出門 英
 「ヒデとロザンナ」の出門英の「彼岸花」に続く手になるもので、フォークギターの伴奏にそれらしい雰囲気がある。欲を言えばこのギターをもつと前面に押し出した方がフォークらしくはなるのだが…レコード会社はそこまではできなかったのだろう。またその歌詞「待つ身 待たす身…」は「思い 思われ…」と対なのだが、何とも凄い語韻を持つ言葉で、阿久悠らしいと言えばそう言えるのかもしれない。
http://www.youtube.com/watch?v=oEFBVXDY8Ko
参考「愛の奇跡」
歌:ヒデとロザンナ、作詞:中村小太郎、作曲:田辺信一
http://www.youtube.com/watch?v=K7tU05Be1Ok
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3、 吉祥寺物語(84年)
歌手:森昌子
 歌詞はいわゆる四畳半フォークを彷彿とさせる。「あなたと歩いた公園」と言えば井の頭公園だろう。この曲の発売された84年より10数年も以前のことになるが、デビュー直後の吉田拓郎が一時、隣の高円寺に住んでいたことがあり、また山本コータロー高田渡の「武蔵野たんぽぽ団」が吉祥寺を拠点にしていたこともあって、その頃中央線のこの辺りはフォークの一大拠点の観があった。斉藤哲夫は「吉祥寺」と、そのものをタイトルとして歌っていた。その意味もあってこの吉祥寺を舞台にした一人称歌詞はフォークを連想させる。そしてこの曲調のイメージは後の「さようなら」へと繋がっていく。私にはそう感じられる。作詞作曲がついに分からなかったが誰だろう。詞は「小雨の下宿屋」に相通ずるものがあるが…。


参考「吉祥寺」
歌、作詞、作曲:斉藤哲夫
http://www.youtube.com/watch?v=WxBvOpayGAY