蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

俳句7 梅雨


 麦が刈られ蓮華草が刈られると梅雨である。子供の頃、青梅を齧って良く叱られたものだが、それもこの梅雨を過ぎるとおおっぴらとなる。青梅の持つ毒素が腹痛を起こすのだが、その毒素が消えるのがこの梅雨明けの頃なのだという。梅の雨とはそんなことも現しているのだろうか。(次に引用文を記すが、それによると違いらしい。毒素自体が消えるのではなく、青酸が生じるかどうかの問題らしい)

 未熟の青梅の種には、青酸配糖体の『アミグダリン』が含まれていて、梅自体に含まれる酵素の作用により青酸を生じることがあります。特に種核中の仁(白い部分)に多く含みます。このアミグダリンは、胃酸によって青酸が分離し、大量に摂取すると青酸中毒を起します。ただし、青梅の中のアミグダリンによる致死量は成人で300個、子どもで100個程度ですので、通常ではありえない量と言えます。また、たくさんの種を噛み砕かなければ危険はありません。毒が消えるのではなく、青酸が分離しないか、ごく微量であるということでしょうか?(管理栄養士 根岸)

 落書の顔の大きく梅雨の塀(虚子)
 梅雨の坂人なきときは水流る(三鬼)
 筆掴いて梅雨の曇りかたそがれか(悌二郎)
 正直に梅雨雷の一つかな(一茶)
 降音や耳もすふ成梅の雨(芭蕉
 梅雨の海静かに岩をぬらしけり(普羅)
 梅雨ふかし猪口にうきたる泡一つ(万太郎)
 梅雨見つめをればうしろに妻も立つ(林火)
 梅雨気だち薪の渋ると妻が言ふ(亞浪)
 灯るごと梅雨の郭公鳴き出だす(波郷)
 少年に夢あり道に戻り梅雨(蜂太郎)


 梅雨入り前の5、6月頃に梅雨に似た天気になることがあるがこれは走り梅雨といわれ、また梅雨明けに雨が降り続いたりする場合には戻り梅雨といわれる。梅雨の時期の雨量は西日本に多く、そしてそれは終り頃に集中するらしい。特に九州ではこの時期に一年分の雨量が降ることもあるという。今年も西日本の各地での集中豪雨による被害の様子が何度か報道されていたことを思い出す。逆に、関東や東北などの東日本では梅雨の時期よりもむしろ秋の雨量が多いらしい。いずれにしても巡る四季の一ページであり、夏季の渇水騒動回避のためにもこの時期の山間部での雨量は重要である。