蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

他31、ブルージーンと皮ジャンパー


アダモ「ブルージーンと皮ジャンパー」
http://youtu.be/WA2otEwCTBY


 ネットで調べると発売年は1962年1963年1968年と幾通りかの記述があってハッキリしなかったのですが、ただ私が聴いたのは1968年頃です。「悲しき天使」の1年程前の頃で、当時、仲の良かった同級生の女の子とよく聴いたものです。二人とも高校生でした。
「ブルージーンと皮ジャンパーで決めれば、君はなんでもできると思うだろうが、世間はそうは思わないよ。…悪ぶっても様にならないよ」と、こんなふうに歌われています。
 世間に逆らうのは若者の特権だろうし、それを意気に感じるのもまた若者の特質なのでしょうが、この歌はそんな頃を思い出させてくれます。

 アダモは1961年にコンクールで優勝し歌手デビューをします。その後押しをしてくれたのがシャルル・アズナブールだそうです。シャルル・アズナブールと聞くと直ぐにこの曲を思い出してしまいます。「Hier encore」。英語タイトル「Yesterday when was young」、邦題は若き森昌子に傑作がある「帰りこぬ青春」、その原曲「Hier encore」です。そしてもう一つ、私的なことですが1924年の生まれが私の父と同じなのです。…全くの余談ですが。


 さて森昌子の歌ですが、「ブルージーンと皮ジャンパー」に敬意を表してここではこの曲にしました。ジーパンの言葉が印象的な「少年時代」です。
 その姿は簡単な絵にすると古き良き時代のアメリカの少年のようでもあるのですが、またその内容は「明日のジョー」の世界のようでもあるのですが、結局は少年阿久悠の想いであるのかもしれません。少女スター歌手美空ひばりに対する憧憬と畏敬、そんな思いを抱いた田舎の少年の頃を思い出していたのかもしれません。
 若き阿久悠が斜に構えていたと公言するのは、おそらくはずっとこの憧憬と畏敬がありそしてそれに抗う精神があったからだろうと、そしてそれが彼のエネルギーでもあったのだろうと思うのです。疾駆する己を顧みる時、その所々に浮かんでは消え、消えては浮かぶ純朴な少年の姿。ジーパンの裾を噛む犬はその象徴なのではないでしょうか。「エデンの東」以降、ジーパンは反抗する若者の象徴でした。その象徴に噛み付いた純朴な少年は、今そのジーパンを身につけている。この頃の阿久悠の想いがこの歌に記されているように思えるのです。
 ジーパン、懐かしい言葉です。今はこんな言葉は滅多に聞かなくなりましたが。



森昌子「少年時代」
http://youtu.be/OjXy71UP9Iw



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30、森昌子 シャンソンを歌う - 蜂太郎日記