俳句2 寒椿
サザンカ(山茶花、学名:Camellia sasanqua)は、ツバキ科の常緑広葉樹。秋の終わりから、冬にかけての寒い時期に、花を咲かせる。野生の個体の花の色は部分的に淡い桃色を交えた白であるのに対し、植栽される園芸品種の花の色は赤や、白や、ピンクなど様々である。童謡「たきび」(作詞:巽聖歌、作曲:渡辺茂)の歌詞に登場することでもよく知られる。漢字表記の山茶花は中国語でツバキ類一般を指す山茶に由来し、サザンカの名は山茶花の本来の読みである「サンサカ」が訛ったものといわれる。カンツバキ(寒椿)は、サザンカとツバキ C. japonica との種間交雑園芸品種群である。(ウィキペディア)
寒椿落ちたるほかに塵もなし(篠田悌二郎)
火の気なき家つんとして冬椿(一茶)
くれなゐといふ重さあり寒椿(鍵和田秞子)
齢にも艶といふもの寒椿(後藤比奈夫)
冬つばき世をしのぶとにあらねども(久保田万太郎)
悔もちてゆく道ほそし寒椿(村野四郎)
寒椿蓑うずめたる芭蕉道(森村誠一)
ふるさとは風の中なる寒椿(入船亭扇橋)
「ふるさとは風の中なる寒椿」(入船亭扇橋)には感慨深いものがある。望郷の一句であろうとの清水哲男氏の解説がHP「増殖する俳句歳時記」に紹介されているが、縁遠くなった故郷は風の中に霞み、望郷の想いは朧気な中に際立つ寒椿の赤に取捨されている。経た年月の長さを思い知らされる。
想い出の路遥かなり寒椿