蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

他4、春の風景(2)


 山は新緑に覆われ、風に揺らいで煌いている。山裾に沿って山中に続く小道の脇に李の木が花を開かせ、柿の木には緑が溢れていた。
 子供たちのざんざめく声はその辺りから響いて来る。そしてその声はいつしか歌声へと変わっていく。ある子は野花を摘み、別の子は木に登る。そしてもう一人の子は悪戯してその木を揺すっている。しかし歌が止むことはない。


「落ちるなよ、昌子ちゃん。柿の木は登りやすいけど折れやすいぞ」