蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

他1、春の風景


 田んぼの蓮華が所々にピンクの花を咲かせ始めた頃のこと。その田んぼとその奥の青々とした森との間に作られた小さな畑の辺りから、子供たちの遊ぶ声が聞こえてくる。しばらくするとそれは歌声に変わっていく。ある者は木に登り、そしてある者はその木を揺すって遊んでいるようだった。しかし歌が止むことはない。木の上の子も、下で悪戯している子も、仲良く同じ歌を歌っていた。
「落ちるなよ、昌子ちゃん。柿の木は登りやすいけど折れやすいぞ」


 おちこちの山笑う歌麓あたり