蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

Edesu23、大いなる旅路


 天才少女は荒野の彼方を目指して旅にでる。遥か昔、オデュッセウスが苦難を乗り越えて故郷イタケに戻ったように、少女もまた荒野を切り拓き、輝く未来にたどり着くだろう。


鉛筆・色鉛筆

 次の2曲は、録音状態は少し違うが同じ時のものだと思う。この歌は私にとってそんなに軽い歌ではない。聴くのに相当の勇気と覚悟が要る。


森昌子「この胸の幸せを」
http://youtu.be/hWBoGU8u-e4
http://www.youtube.com/watch?v=zGHzBhs9zm0


 そして旅立ちを前にした少女に、昌子おばあちゃんはきっとこう言うだろう。
旅立ちは月下美人が閉じてから…、ええ、そうしなさい」
「はい、そうします」
「ねえ、良かったわ」

 一夜限りであることで花開く意味が薄れるわけではない。逆に、一夜限りであるからこそ、その意味は重くなる。美の認識が刹那であるように、生の感覚もまた瞬間でしかない。平生人は惰性の中にいることが多い。そんなことからだろうか、私は「この胸の幸せを」は襟を正して聴くのである。
「何故だ」
 この疑問には昌子おばあちゃんが答えてくれるだろう。
「ときめきよりも幸せよ…、ええ、そうしなさい」
「はい、そうします」
「そう、良かったわ」


欽どこ「昌子おばあちゃん(13)」
http://youtu.be/tQQcQwFm5w8