蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

「松葉の流れる町」について

 

 小説「松葉の流れる町」はカテゴリー「手紙」を文章で繋いで小説としたもので、1976年4月にその物語は始まります。登場人物は「手紙」と同じで、主人公一条つぐみはデビュー3年目のまだ脚光を浴びない下積み中の演歌歌手。恋人は外交官として外国に赴任中であり、弟は放火犯として補導され、この4月頃に少年院に送致されてしまいます。この小説にはこうした苦境にありながら健気に歌の道を進もうとする18歳の主人公とその周囲のその時代特有の人たちが描かれていきます。また、「手紙」は今まで通りですが、「松葉の流れる町」に必要な「手紙」だけがその都度小説に組み込まれます。